2022年12月15日にリリースされた「ねこホーダイ」がいわゆる炎上しています。なにが問題なのかざっとまとめてみました。非難するのは簡単なのですが、一旦サービスを確認してみてからでも遅くはありません。
ねこホーダイとは
コンセプト
以下のようなサービスのコンセプトの記載がありました。
「猫を飼うなら一生責任を持って面倒を見る」これは当たり前のことですが、それだと高齢者や単身者は中々飼うことができません。それならその「責任」を誰かが代わりに負えばいいのではないか、そんな思いで作られた「人と猫をつなぐプラットフォーム」それが会員制サービス『ねこホーダイ』
ねこホーダイ サイト参照
年齢や一人暮らしであることがネックで、犬猫を飼いたいが飼えないと考える方は多いためその部分だけでみればポジティブな面もあるかと思われます。このサービスは猫を対象としており、いわゆる保護猫、野良猫たちが新しい家族のもとに行くことができ、幸せになるかもしれないとは言えます。
サービスの特長
以下がねこホーダイのサービス内容となっています。
・月額課金380円(サブスクリプション)の会員制サービス
・会員様は提携シェルターの猫を無料で譲り受けることができる(募集中の保護猫一覧から選ぶ)
・面倒な審査やトライアルもない高齢者や単身の方も対象。
・会員が飼っている猫を飼えなくなった場合に、提携シェルターに無料で引取ってもらうことができる(※猫の状態によってはお引取りできない場合がある)
ねこホーダイ サイト参照
猫と暮らしている、動物愛護に関心がある方からするとすでに「????」と思ってしまう部分がありますが、(私も???となりましたが・・・)ポジティブにとらえた場合、
一般的な保護猫里親サイトや、保護団体から里親となる場合、それまでかかった費用を支払う必要があったりします。ただ、それは団体を維持するため(少数の悪質な団体を除き持ち出しや手弁当でやっているケースがほとんどなため)に必要なためとなっているものの、負担になると考える方もいるためこうしたサービスは刺さるかもしれません。
さらには審査はかなり厳しいケースもあるので、せっかく相性が良くても迎え入れられないこともあります。そうしたことからマッチングできない里親・猫が出ているのも事実ですので、1頭でもおおく、飼い猫に、という観点のみでみればよいサービスといえます。
飼えなくなった場合引き取ってもらえるというのは、これはどこに引き取られていくのかということが気になりますね。
運営会社
上場企業の中小企業ホールディングスという会社が親会社でのら猫バンクを設立したようです。
ネットなどで検索をすると、猫の殺処分問題解決を目指し、21年に名古屋市の保護活動団体「花の木シェルター」と業務提携が始まり、その際に立ち上げた「野良猫ゼロプロジェクト」を推進するためとして、のら猫バンクを立ち上げたそうです。
また、親会社についてもどの程度この活動に本気なのかと気になったので簡単にWEB検索してみました。週刊誌に真偽はよくわかりませんが様々書かれているようで、興味のある方は検索をしてみてください。
以上がサービスの内容や運営会社の情報です。
ねこホーダイの疑問点・問題点と考えられる部分
サービスを見るだけでも少なくない違和感を感じる方もいるかと存じます。
簡単に疑問点・問題点を挙げると、
- 選ぶ側のハードルが低すぎる。
- ねこホーダイというサービス名称が猫の飼育を軽くみている印象が残る
という点です。
選ぶ側を厳しく吟味することが、保護猫の飼育・迎え入れのためハードルになっていると言われることはありますが、これは一度不幸な目にあった猫たちに二度と同じようなことにならないように最大限保護団体側が考えた仕組みです。ハードルは低くすれば、保護猫たちとのマッチングは進みますが、不幸な猫を減らすことができるのでしょうか。
保護猫を減らすということがだけが目的であれば「ねこホーダイ』的なサービスで良いとは思います。ただし、前述の通り、ハードルを低く設定することでまた捨てられる・虐待されるという猫も現在より増え、負の連鎖は起きます。そういうことが分かっている(あるいは繰り返されてきた)からこそハードルを設定していると言えます。
このサービスは現時点でそうした積み重ねを無視することにもなるので既存の保護団体とは軋轢が発生します。保護団体が関わっているアプリなのでおそらくそれらも分かっていたはずだとは思います。
サービス停止へ
12月末にサービス停止となったようです。登録とお問い合わせが殺到したからとのことで、一旦停止し、サービスの見直し等を検討しているようです。
ねこホーダイ側の問い合わせへの返答については以下のようになっています。
様々物議を醸し出しましたが、生き物の命がかかるサービスなので一般的なITサービスのようにトライアンドエラーをするのにもリスクが高いと言えるので一旦停止というのは正しいと決断だったと個人的には考えます。
仕組み自体に安全性の担保、名称の変更がされれば良いサービスになる可能性も含んでいるとは思いますので、今後も本サイトとしては動向を注目していきたいと思います。
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